特定技能2号とは?その概要や【現状と今後を分かりやすく解説】

この記事を読むと、次のことが分かります。

・特定技能2号はどのような在留資格か
・特定技能1号と特定技能2号の違い
・特定技能2号を取得する方法
・特定技能2号の現状と今後
・特定技能2号の外国人を受入れる企業の要件

特定技能2号とは、高いレベルの技能を持つ外国人が、特定の産業分野に従事するための在留資格です。2019年に特定技能1号とともに創設された在留資格ですが、2023年6月現在、特定技能2号で受入れ可能な産業分野は建設もしくは造船・船用工業のみとなっています。

また、取得にかなりの経験と知識が必要とされることもあり、実際の取得者は2022年12月末時点で8人のみです[1]。しかし今後、特定技能2号の対象分野は11に拡大される予定となっており、資格の保有者は増加していくことが見込まれます。

本稿では、特定技能2号の概要取得方法、特定技能2号の外国人を受入れる企業に求められる要件などについて解説します。特定技能制度の現状と今後についてもお伝えしますので、ぜひ自社の人材戦略にご活用ください。

1. 特定技能2号とは「熟練した技術を持つ外国人が働くための在留資格」

特定技能2号は「熟練した技術を持つ外国人が、建設もしくは造船・船用工業の分野で働くための在留資格」で、その運用については特定技能1号と共に特定技能制度で定められています。

本章では、特定技能2号の外国人はどのようなポジションの人材であるのかといったことや、特定技能1号との違い、特定技能2号を取得する方法などを解説します。

1-1. 特定技能2号は熟練した技術を持つ外国人材!

特定技能2号の在留資格を有する外国人には、熟練した技術が求められます。特定技能2号の外国人は単なる「現場の作業者」とは異なり、時に、他の作業者を指導したり作業工程を管理したりする管理者としてのポジションが期待されています。

1-2. 特定技能1号と特定技能2号の違い

特定技能1号と特定技能2号の主な違いは以下の通りです。

 特定技能1号特定技能2号
技能水準即戦力として働けるレベル特定技能1号よりも高いレベル
対象分野数12分野2分野建設造船・船用工業
在留期間の上限通算で5年まで (1年・6カ月・4カ月ごとに更新)なし (3年・1年・6カ月ごとに更新)
技能水準の確認方法試験など (技能実習2号を修了した外国人は免除)試験など
日本語能力の確認方法試験など (技能実習2号を修了した外国人は免除)試験などによる確認は不要
家族の帯同基本的に認められない要件を満たせば(配偶者・子のみ)
受入れ機関または登録支援機関による支援対象対象外

特定技能2号は、在留期間の上限がなかったり家族の帯同が認められたりするなど、外国人が日本で長期にわたって働きやすい仕組みとなっています。ただし、受入れ可能な分野が、建設と造船・船用工業の2つに限定されていることには注意が必要です(2023年6月1日時点)。

1-3. 外国人が特定技能2号を取得する方法

特定技能2号は、特定技能1号よりも高い技能水準を持つ外国人に付与されるものです。基準となる技能を有しているかどうかを判断する方法として、試験が設けられています。この試験に合格するなどして熟練した技能を持つことを証明できれば、特定技能2号を取得できます。

しかし実際には、試験の情報はあまり公開されておらず、不明点も多い状態です。出入国在留管理庁のホームページでも、試験の要領が公開されているのは造船・舶用工業分野のみで、建設分野の試験については詳細が分かりません(2023年6月2日時点)。

また出入国在留管理庁が公開している資料には、特定技能1号を経なくても特定技能2号を取得できることが記載されていますが、現状、特定技能1号からの移行が主な取得ルートと考えられます。

初めて特定技能2号を取得した中国籍の男性は、特定技能1号を取得した後、技能検定1級に合格したり現場責任者を務めたりしたことが評価され、特定技能2号を取得できたとのことです。

1-4. 特定技能2号の外国人を受入れる企業の要件

特定技能2号の外国人を受入れる企業は、適合特定技能雇用契約の適正な履行について、特定技能基準省令第2条に規定される基準に適合する必要があります。

またその前提として、特定技能雇用契約の内容が規定されていることも知っておきましょう(出入国管理及び難民認定法[入管法]第2条の5第1項、特定技能基準省令第1条)。

特定技能2号の外国人を受入れる企業には、以下のような要件が定められています。

・外国人に従事させる業務が特定技能2号の対象分野・業務に含まれていること
・給与や労働時間、有給休暇など、外国人を日本人と同等に扱い適切な雇用契約を結ぶこと
・違法行為をしていないなど、健全な企業であること

要件の詳細は「特定技能外国人受入れに関する運用要領」第5章に記載されているので、参考にしてみてください。

参考)
出入国在留管理庁|特定技能外国人受入れに関する運用要領はこちら
https://www.moj.go.jp/isa/content/930004944.pdf

特定技能2号の外国人を受入れたいと考えている場合は、まず自社が要件を満たしているか確認してみましょう。

コラム:特定技能はどのような制度?目的や背景をおさらい!

特定技能は、外国人が特定の分野で就労できる在留資格です。特定技能1号と特定技能2号に分けられ、技能水準や対象分野などが異なります。

特定技能の在留資格が作られた背景にあるのが、日本国内における人手不足です。現在日本では、人口の減少や高齢化率の上昇により労働人口が減少しており、この傾向は今後ますます強まると予測されています。

内閣府によると、2020年には7,509万人だった15~64歳の人口は、2040年には5,978万人、2065年には4,529万人と大幅に減少すると推計されています[2]。  

多くの企業が労働力の確保に難しさを感じる中、建設や介護、外食業などの特に人手不足が深刻な分野で、外国人を即戦力として雇用できる「特定技能」が創設されたのです。

今まで就労を目的とした在留資格では認められていなかった、工場や飲食店などの現場での業務に従事できることで、人手不足が深刻な分野における一つの打開策として期待されています。

現在、政府が特定技能2号の対象分野拡大に向けて動いています。今後の動向については2章で詳しくお伝えします。

特定技能の具体的な内容についてはこちらの記事をご覧ください。

2. 特定技能2号の現状と今後

2019年4月にできた特定技能ですが、初めて特定技能2号の取得が認められたのは2022年4月です。その後の取得者も極めて少なく、2022年12月末時点で特定技能2号を取得している外国人は8人にとどまっています[3]

特定技能1号を取得している外国人が13万人を超えている[4]ことと比較すると、特定技能2号を取得することのハードルの高さは明らかでしょう。

特定技能1号と特定技能2号の人数の差は、技能水準の違いだけでなく、対象分野数の違いも大きく影響していると考えられます。以前より特定技能2号の対象分野拡大が予想されていましたが、2023年4月、政府が特定技能2号の対象分野拡大に向けて進み始めました。

2023年5月には特定技能2号の対象分野拡大案が自民党の合同会議で了承され、6月にも閣議決定される見込みです。

今後は、特定技能2号を取得する外国人が増え、特定技能2号の外国人に関わる企業も増加すると予想されます。特定技能2号の外国人を雇用したいと考えたときのためにも、1-4で紹介したの受入れ企業の要件を頭に入れておくとよいでしょう。

特定技能2号の対象分野拡大以外に、技能実習制度の廃止新制度の創設に向けた動きもあります。今後、外国人労働者を取り巻く環境は大きく変化することでしょう。最新の情報を得られるよう、常にアンテナを張っておくことが大切です。

3. まとめ

特定技能2号は、熟練した技術を持つ外国人が働くための在留資格です。その運用については、特定産業分野の人手不足解消を目的として作られた特定技能制度で定められています。

特定技能2号の外国人は単なる「現場の作業者」とは異なり、時に、他の作業者を指導したり作業工程を管理したりする管理者としてのポジションが期待されています。

特定技能1号との主な違いは以下の通りです。

 特定技能1号特定技能2号
技能水準即戦力として求められるレベル特定技能1号よりも高いレベル
対象分野数12分野2分野建設造船・船用工業
在留期間の上限通算で5年まで (1年・6カ月・4カ月ごとに更新)なし (3年・1年・6カ月ごとに更新)
技能水準の確認方法試験など (技能実習2号を修了した外国人は免除)試験など
日本語能力の確認方法試験など (技能実習2号を修了した外国人は免除)試験などによる確認は不要
家族の帯同基本的に認められない要件を満たせば(配偶者・子のみ)
受入れ機関または登録支援機関による支援対象対象外

特定技能2号を取得するには、試験に合格するなどして熟練した技能を持つことを証明する必要があります。しかし実際には、試験の情報はあまり公開されておらず、不明点も多い状態です。

また制度上は、特定技能1号を経なくても特定技能2号を取得できることになっていますが、現状、主な取得ルートは特定技能1号からの移行と考えられます。

2019年4月にできた特定技能ですが、2022年12月末時点で特定技能2号を取得している外国人は8人にとどまっています。一方で、特定技能1号の外国人は13万人を超えています。この人数の差は、技能水準の違いだけでなく、対象分野数の違いも大きく影響していると考えられます。

以前より特定技能2号の対象分野拡大が予想されていましたが、2023年4月、政府が特定技能2号の対象分野拡大に向けて進み始め、6月にも閣議決定される見込みです。

特定技能2号の対象分野が拡大すると、特定技能2号の外国人に関わる企業も増えると予想されます。特定技能2号の外国人を受入れる企業に求められる以下の要件を、しっかりと理解しておきましょう。

・外国人に従事させる業務が特定技能2号の対象分野・業務に含まれていること
・給与や労働時間、有給休暇など、外国人を日本人と同等に扱い適切な雇用契約を結ぶこと
・違法行為をしていないなど、健全な企業であること

特定技能2号の対象分野拡大が見込まれるものの、2023年5月時点では特定技能2号の外国人を採用することは容易ではありません。すぐにでも特定技能外国人を雇用したい場合は、特定技能1号を持つ外国人の採用に向けて動き出すのがよいでしょう。

特定技能1号の外国人を採用する方法はこちらの記事で解説しています。参考にしてみてください。

特定技能1号とは?2号との違い、採用のポイントなど【事例付き】

[1] 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和4年12月末現在)概要版」,https://www.moj.go.jp/isa/content/001389884.pdf(閲覧日:2023年6月1日)
[2] 内閣府「令和4年版高齢社会白書(概要版)」,https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/gaiyou/pdf/1s1s.pdf(閲覧日:2023年6月5日)
[3] 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和4年12月末現在)概要版」,https://www.moj.go.jp/isa/content/001389884.pdf(閲覧日:2023年6月1日)
[4] 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和4年12月末現在)概要版」,https://www.moj.go.jp/isa/content/001389884.pdf(閲覧日:2023年6月1日)

参考)
内閣府「令和4年版高齢社会白書(概要版)」,https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/gaiyou/pdf/1s1s.pdf(閲覧日:2023年6月1日)
出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」, https://www.moj.go.jp/isa/content/930006254.pdf(閲覧日:2023年6月1日)
出入国在留管理庁「試験関係」,https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/nyuukokukanri01_00135.html(閲覧日:2023年6月1日)
日本経済新聞「「特定技能2号」初認定 岐阜の中国籍男性、建設業で」,2022年4月14日,https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE149C60U2A410C2000000/(閲覧日:2023年6月1日)
NHK「「特定技能2号」在留資格 政府 拡大案示す 異論出る可能性も」,2023年4月24日,https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230424/k10014047771000.html(閲覧日:2023年6月1日)
毎日新聞「在留資格「特定技能2号」 11分野に拡大へ 自民部会了承」,2023年5月23日,https://mainichi.jp/articles/20230522/k00/00m/010/197000c(閲覧日:2023年6月5日)
日本経済新聞「技能実習廃止へ 人材確保・育成の代替制度を創設」,2023年4月28日,https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2810N0Y3A420C2000000/(閲覧日:2023年6月1日)
出入国在留管理庁「特定技能 ガイドブック ~特定技能外国人の雇用を考えている事業者の方へ~」,https://www.moj.go.jp/isa/content/930006033.pdf(閲覧日:2023年6月1日)

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