出入国在留管理庁とは?在留資格を司る外国人受入れの司令塔について解説

この記事を読むと、次のことが分かります。

・出入国在留管理庁(入管管理局)の基礎知識
・出入国在留管理庁の業務内容
・出入国在留管理庁が管理する在留外国人について
・出入国在留管理庁の関連組織やオンラインでの利用、相談機関について

出入国在留管理庁は、出入国審査や在留外国人の管理、外国人の受入れ環境の整備などを目的として2019年4月に新設されました[1]。外国人雇用の申請手続きを行う際に必ず関わる重要な機関です。外国人の雇用を検討している企業の方は、必ず概要を押さえておきましょう。

[1] 出入国在留管理庁「出入国在留管理庁 総合職 入庁案内 2022」,p1,p3,https://www.moj.go.jp/isa/content/001345983.pdf(閲覧日:2022年11月22日)

1. 出入国在留管理庁とは?外国人雇用の手続きに関わる重要機関

まずは、出入国在留管理庁の基礎知識について解説します。

1-1. 出入国在留管理庁とは

出入国在留管理庁とは、日本に出入りする全ての人の管理と、日本に在留する外国人の管理・支援を行う行政機関です。また、厚生労働省と情報連携し、在留外国人の就労状況の把握、雇用管理をする役割もあります。

一般的には、「入管」や「入管庁」と呼ばれています。

1-2. 出入国在留管理庁が新設された理由

出入国在留管理庁は、もともと「入国管理局」であり、法務省の内局(補助的機関)でした。内局とは内部部局のことであり、行政機関である府や省庁、委員会に設置される内部組織の総称です。

多くの外国人観光客・外国人労働者が日本を訪れるようになったこと、不法入国者や不法就労者も増加したことなどが理由で業務が大幅に増え、外国人の受入れ環境を整備する司令塔としてスムーズに業務をこなすため、2019年4月に外局として新設されました。

1-3. 入国管理局との違いとは?出入国在留管理庁になって変わったこと

内局の入国管理局から外局の出入国在留管理庁になったことで、府や省と同等の地位になりました。その結果、「出入国管理部」と「在留管理支援部」という内局ができ、業務量の増加に迅速に対応できるようになりました。

また、利用者にもメリットがありました。例えば、入国管理局のときには窓口に出向く必要があった手続きの一部が、出入国在留管理庁になったことでオンラインで行えるようになりました。

2. 出入国在留管理庁の業務内容とは?

出入国在留管理庁は、主に日本へ出入りする人を管理する業務と、在留外国人を管理・支援する業務を担っています。

2-1. 出入国在留管理庁の業務1―出入国に関する業務

出入国に関する業務は、主に次の5つです。

・出入国審査
・各種手続き
・難民の認定・保護
・悪質仲介業者の排除
・不法滞在者の摘発

・出入国審査

空港で行っている出入国審査では、全ての人の出国確認日本人の帰国確認、そして外国人の上陸審査を行っています。

外国人が入国する場合は、安全な人物であるかの確認を行い、外国人が出国する場合は、逃亡しようとしている犯罪者でないかの審査を行います。

具体的には、パスポートやビザを偽造していたり、他人のものであったりしないか、犯罪歴があったり海外渡航が禁じられていたりする人でないかなどを確認します。

・各種手続き

出入国在留管理庁で行える手続きには、上述した入出国審査に関する手続きの他、在留審査手続き在留管理制度に関する手続き、特別永住者証明書の交付に関する手続きなどがあります。

在留審査手続きでは、外国人が入国する際や在留期間の更新・変更の際に審査のほか、日本で活動を行うための要件を満たしているかを確認し、在留資格の審査手続きを行います。

そして在留管理制度に関する手続きでは、在留カードの交付住居地の届け出などを行います。

在留カードとは、3カ月以上日本に在留する中長期在留者(在留期限が3~5年に設定されている外国人や在留期間に制限の無い永住者)に交付されます。

もし、この在留カードが無いまま入国した場合、観光者として扱われるため日本で就労することができません。

また、中長期在留者が新しく住居地を定めたり、住居地を変更したりした場合には住居地の届け出が必要です。この手続きは各市町村の役所で行いますが、出入国在留管理庁が管理しています。

出入国在留管理庁では、特別永住者証明書の交付に関する手続きも行えます。特別永住者に該当するのは、第二次世界大戦以前に日本国籍を持って日本で暮らしていた外国人のうち、サンフランシスコ平和条約によって日本国籍を失った人、およびその子孫です。朝鮮人や韓国人、台湾人が割合の多くを占めます。

ビザと在留カードの違いって?
ビザは「査証」ともいわれ、外務省に「日本に入国しても安全である」と認められていることを示す証書です。

一方、在留カードは、「日本に一定期間以上滞在する資格がある」と認められた証明書であり、出入国在留管理庁から発行されます。

・難民の認定・保護

出入国在留管理庁は、政治的背景や宗教などさまざまな事情により出身国で迫害を受ける恐れのある外国人を、国際協定に基づいて難民として認定する業務も担います。

難民と認定された外国人は、出入国在留管理庁によってパスポートに代わる「難民旅行証明書」が発行され、保護されます。

・悪質仲介業者の排除

出入国在留管理庁は、外国人が適切に来日できるよう、法務省や厚生労働省など関係機関と連携して悪質な仲介業者を排除する取り組みを行っています。

・不法滞在者の摘発

日本に不法に入国した外国人や、在留許可の範囲を超えて滞在している外国人を摘発し、出国命令強制退去命令入国者収容所への収容といった処分を行います。

このように出入国に関する業務には、空港での出入国の確認だけでなく、在留審査手続きといった各種手続き難民認定、悪質仲介業者の排除、そして不法滞在者の摘発など幅広い業務が含まれます。

2-2. 出入国在留管理庁の業務2―在留外国人の管理と支援に関する業務

出入国在留管理庁は、既に日本に在留している外国人の管理や支援に関する業務も行っています。具体的には、以下の3つの業務があります。

・日本に在留する外国人の一元的な管理
・特定技能外国人の適切な在留管理・日本の受入れ機関のチェック
・在留外国人を支援するサイトや施設の運営

・日本に在留する外国人の一元的な管理

出入国在留管理庁では、在留外国人の在留資格の手続きや管理を行い、在留外国人が国内のどこで就労、在住しているのかを把握しています。

・特定技能外国人の適切な在留管理・日本の受入れ機関のチェック

特定技能外国人の管理を行うのも、出入国在留管理庁の業務です。「特定技能」とは、国内の労働力不足を解消するために新設された在留資格で、2019年4月から受入れが始まりました[2]。特定技能外国人は、特定技能所属機関(受入れ機関)や、登録支援機関の支援を受けながら就労します。

特定技能には1号と2号があり、1号特定技能外国人を雇用する場合、適切な環境で雇用し、支援を行っていることを示すために、受入れ機関や登録支援機関が出入国在留管理庁に支援計画書などを提出する義務があります。

・在留外国人を支援するサイトや施設の運営

出入国在留管理庁では、在留外国人の生活をサポートするために、ポータルサイトにて役立つ情報を発信したり、外国人在留支援センター(FRESC/フレスク)を運営したりしています。

「外国人生活支援ポータルサイト」では、役所での手続き方法や日常生活でのルール、緊急時・災害時にとるべき行動や各機関への連絡先などを多様な言語で公開しています。

参考)出入国在留管理庁「外国人生活支援ポータルサイト」,https://www.moj.go.jp/isa/support/portal/index.html

また、外国人在留支援センター(FRESC/フレスク)は、在留外国人が生活や仕事のことで何か相談したいと思ったときに利用できる施設です。

記事の最後に詳しく紹介しているので、支援が必要な在留外国人がいたら紹介してみてください。

このように出入国在留管理庁は、在留外国人が適切な環境で働けるよう管理と支援を行い、国内の労働力不足の解消につなげています。

[2] 公益財団法人 国際人材協力機構 JITCO「在留資格「特定技能」とは」,https://www.jitco.or.jp/ja/skill/(閲覧日:2022年11月22日)

3. 出入国在留管理庁が管理する在留外国人について

在留外国人は、原則として在留資格ごとに定められた範囲で就労を行います。受入れを予定している場合は、在留資格の種類を大まかに把握しておきましょう。

3-1. 出入国在留管理庁が管理する在留外国人の種類を確認

在留資格は現在29種類あり、大きく4つに分類されます。

1つめは就労が認められる在留資格であり、例えば技術・人文知識・国際業務(技人国)や、高度専門職、技能実習の他、2019年4月に追加された特定技能などがあります。

2つめは身分・地位に基づく在留資格であり、就労活動の範囲に制限はありません。対象者は、日本人の配偶者や永住許可を受けた者、永住者の配偶者などです。

3つめは指定される活動によって、就労の可否が異なる在留資格で、特定活動が挙げられます。該当する活動は、ワーキングホリデーやインターンシップなどです。

そして4つめは、原則として就労が認められない在留資格で、留学や研修、短期滞在などがあります。

より詳細な情報は次の記事にまとめています。気になる方はチェックしてみてください。

3-2. 出入国在留管理庁が特に力を入れている「特定技能」について

特定技能は、労働力不足が深刻な国内の特定産業分野において、一定の技能を持つ外国人を受入れるために新設されました。

特定技能は、特定技能1号特定技能2号に分類され、それぞれ受入れ可能な産業が指定されています。

特定技能1号は、介護、ビルクリーニング、製造業(素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業)、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の12分野で受入れられています。

特定技能2号は、建設、造船・船用工業の2分野に限定されており、1号と2号のうち主に活用されているのは特定技能1号です。

特定技能1号の資格は、技能実習を約3年間良好に修了すること、あるいは一定の日本語試験と各特定産業分野の試験に合格することで得られます。

特定技能の詳細や、技能実習との違いについては次の記事で詳しく解説しているので、確認してみてください。

3-3. 特定技能外国人は、出入国在留管理庁とさまざまな機関の支援を受けられる

1号特定技能外国人を受入れる機関は、外国人が日本での生活や仕事を円滑に行えるように「支援計画」を作成し、入国から帰国までの生活支援を継続的に行う義務があります。

支援計画とは、「1号特定技能外国人支援計画」のことであり、1号特定技能外国人の労働条件や活動内容についての事前ガイダンスの他、住居確保・生活に必要な契約の支援などの義務的支援任意的支援を指します。

受入れ機関が一定の条件をクリアする場合は、全ての支援を担うことも可能ですが、登録支援機関に一部または全ての支援を委託することもできます。

登録支援機関とは、受入れ機関に委託される形で1号特定技能外国人の支援を行う機関です。一定の要件を満たした民間法人や社労士、行政書士、弁護士などが該当します。

特に、初めて特定技能外国人の受入れを行う場合は、在留資格の申請手続きや支援計画書の作成に戸惑うことが多いため、登録支援機関の力を借りるとスムーズに支援を行えます。

4. 出入国在留管理庁への申請は、最寄りの関連組織やオンライン、相談窓口が利用可能!

出入国在留管理庁の出張所や相談窓口を備えた関連組織は全国に展開しています。外国人の雇用を検討している企業は、最寄りの関連組織を確認しておきましょう。

4-1. 出入国在留管理庁の関連組織について

出入国在留管理庁は霞が関にありますが、関連組織は全国に存在し、各地域に在住している外国人の申請手続きや相談に迅速に対応できる体制を整えています。

特に、在留資格に関する申請を行うのは該当外国人が在住するエリアを管轄する地方出入国在留管理局、支局または出張所なので、どこが最寄りになるのかを確認しておきましょう。

・地方出入国在留管理局
・支局
・出張所
・入国管理センター

・地方出入国在留管理局

出入国在留管理庁の地方局は、北海道札幌市・宮城県仙台市・東京都港区・愛知県名古屋市・大阪府大阪市・広島県広島市・香川県高松市・福岡県福岡市の計8地点にあります。

在留資格に関する全ての手続き審査だけでなく、実態調査や難民審判、強制退去に関わる事柄も扱います。

・支局

支局は、成田空港や羽田空港、中部空港、関西空港、神奈川県横浜市、兵庫県神戸市、沖縄県那覇市に存在し、出入国や上陸時の審査業務を行っています。

空港支局では、在留資格に関わる申請は受け付けていないため注意が必要です。

・出張所

出張所は、地方出入国在留管理局の管轄の下、より地域に密着して設置されています。

札幌出入国在留管理局に5出張所、仙台出入国在留管理局に6出張所、東京出入国在留管理局に12出張所、名古屋出入国在留管理局に8出張所、大阪出入国在留管理局に6出張所、広島出入国在留管理局に7出張所、高松出入国在留管理局に3出張所、福岡出入国在留管理局に14出張所(那覇支局管下4出張所含む)、計61の出張所が置かれています。

全ての出張所で在留申請を行えるわけではないため、最寄りの出張所の業務内容を確認してください。

・入国管理センター

入国管理センターは、入国管理法の規定によって退去を強制されている外国人を一時的に収容する機関です。東日本入国管理センターと大村入国管理センターがあります。

このように、出入国在留管理庁の地方局や支局、出張所は全国に分散しており、在留外国人が安心して活動を行える体制を整えています。

4-2. 出入国在留管理庁への申請は、オンラインでもできる!

入国管理局から出入国在留管理庁に変わり、在留手続きのオンライン申請が可能になりました。

しかし、外国人本人がオンライン申請を行うには、マイナンバーカードを保有している、15歳以上の中長期在留者であるなどの条件があります。

オンラインで行える申請は、次の7つです。

・在留資格認定証明書交付申請
・在留資格変更許可申請
・在留期間更新許可申請
・在留資格取得許可申請
・就労資格証明書交付申請
・再入国許可申請
・資格外活動許可申請

詳細は、出入国在留管理庁のホームページを確認してみてください。

参考)出入国在留管理庁「在留申請のオンライン手続」,https://www.moj.go.jp/isa/applications/guide/onlineshinsei.html

4-3. 出入国在留管理庁への申請に関わる質問や相談をしたいと思ったら

申請に関わることで質問や相談をしたいときには、次の機関を活用できます。企業と在留外国人それぞれの相談を受け付けている機関もあるので、参考にしてみてください。

・外国人在留総合インフォメーションセンター
・外国人在留支援センター(FRESC/フレスク)

・外国人在留総合インフォメーションセンター

各地方出入国在留管理局や支局に相談窓口として設けられており、雇用する外国人の入国・在留手続きに関する不明点を相談することができます。

相談方法には、電話や窓口への訪問、メールがあります。電話の場合は日本語の他、英語や中国語、韓国語など全部で17カ国の言語に対応しているため、在留外国人も質問や相談をしやすいでしょう。

<外国人在留総合インフォメーションセンター>
電話:0570-013904
メールアドレス:info-tokyo@i.moj.go.jp
時間:平日AM8:30~PM5:15

各地方出入国在留管理局や支局の窓口に問い合わせる場合の連絡先などは、下記ホームページにて確認してください。

参考)出入国在留管理庁「外国人在留総合インフォメーションセンター等」,https://www.moj.go.jp//isa/consultation/center/index.html

・外国人在留支援センター(FRESC/フレスク)

日本で暮らす外国人や外国人の雇用を検討する企業、外国人支援に取り組む地方公共団体を支援する目的で、2020年7月に開設しました。

<外国人在留支援センター(FRESC/フレスク)の相談窓口一覧>

出入国在留管理庁・開示請求窓口…行政文書や出入(帰)国記録および外国人登録原票の開示請求に対応
東京出入国在留管理局…在留外国人、外国人を雇用したい企業の個別相談に対応
東京法務局人権擁護部…ハラスメントや虐待などに関する相談や救済活動を行う
日本司法支援センター(法テラス)…法的トラブル解決のための総合案内所
外務省ビザ・インフォメーション…入国査証(ビザ)申請に関する各種相談に対応
東京労働局外国人特別相談・支援室…在留外国人の労働条件に関する相談や、外国人を雇用する企業の労務相談に対応
東京外国人雇用サービスセンター…外国人留学生や専門・技術的分野の在留資格を持つ高度外国人材の就職支援を行う
日本貿易振興機構(ジェトロ)…高度外国人材を受入れる中堅・中小企業への支援サービスや、高度外国人材の活躍を促進するための情報提供などを行う
FRESCヘルプデスク…新型コロナウイルスの影響によって生活に困っている在留外国人の電話相談に対応

外国人在留支援センター(FRESC/フレスク)
電話:0570-011000
住所:〒160-0004 京都新宿区四谷一丁目6番1号四谷タワー13階
時間:平日AM9:00~PM5:00
ホームページ:https://www.moj.go.jp/isa/support/fresc/fresc01.html

外国人在留支援センター(FRESC/フレスク)の入口には総合受付があり、相談内容に適した窓口を案内しています。どこへ相談に行けばよいか迷ったときに利用するとよいでしょう。

在留外国人が相談できる機関は他にも!

在留外国人が日本での生活について相談したい場合は「ワンストップ型相談センター」を、また仕事を探している場合は「外国人雇用サービスセンター」を利用できます。情報を欲しがっている在留外国人がいたら、紹介してみてください。

<ワンストップ型相談センター>
・外国人総合相談支援センター
・外国人総合相談センター埼玉
・浜松外国人総合支援ワンストップセンター

<外国人雇用サービスセンター>
・東京外国人雇用サービスセンター
・名古屋外国人雇用サービスセンター
・大阪外国人雇用サービスセンター
・福岡外国人雇用サービスセンター

各センターの連絡先などは以下をご確認ください。
出入国在留管理庁「外国人在留総合インフォメーションセンター等」,https://www.moj.go.jp//isa/consultation/center/index.html#sec_02
厚生労働省「外国人雇用サービスセンター一覧(Employment Service for foreigners)」,https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12638.html

5. まとめ

本稿では、出入国在留管理庁の基礎知識と業務内容、在留外国人について、そして関連組織や相談機関について解説しました。

出入国在留管理庁は、日本に出入りする全ての人の管理と、日本に在留する外国人の管理・支援を行う行政機関であり、一般的には、「入管」や「入管庁」と呼ばれています。

もともと入国管理局であり法務省の内局(補助的機関)でしたが、多くの外国人観光客・外国人労働者が日本を訪れるようになったこと、不法入国者や不法就労者も増加したことなどが理由で業務が大幅に増えたため、2019年4月に外局として新設されました。

外局になったことで変わった点は、府や省と同等の地位になり、業務量の増加に対応できるようになった点、一部手続きでオンライン申請が可能になった点などです。

出入国在留管理庁の業務内容は、主に出入国に関する業務と在留外国人の管理と支援に関する業務があります。

出入国に関する業務には、次の5つがあります。

・出入国審査
・各種手続き
・難民の認定・保護
・悪質仲介業者の排除
・不法滞在者の摘発

また、在留外国人の管理と支援に関する業務には、次の3つがあります。

・日本に在留する外国人の一元的な管理
・特定技能外国人の適切な在留管理・日本の受入れ機関のチェック
・在留外国人を支援するサイトや施設の運営

これらの業務を通じて出入国在留管理庁は、日本を出入りする全ての人を管理して国内の安全を守り、在留外国人が適切な環境で働けるように管理と支援を行っています。

出入国在留管理庁が管理する在留外国人には在留資格があり、大きく4つに分類されます。

・就労が認められる在留資格
・身分・地位に基づく在留資格
・指定される活動によって、就労の可否が異なる在留資格
・原則として就労が認められない在留資格

また、出入国在留管理庁が特に力を入れている特定技能は、国内の労働力不足が深刻な特定産業分野において、一定の技能を持つ外国人を受入れるために新設された在留資格であり、特定技能1号特定技能2号に分類されます。

特定技能外国人は、受入れ機関登録支援機関の支援を受けながら就労します。

出入国在留管理庁の関連組織は、次の4つがあります。

・地方出入国在留管理局
・支局
・出張所
・入国管理センター

出入国在留管理庁の地方局や支局、出張所は全国に展開しており、申請を行う際は最寄りの機関を活用できます。また、一部の申請はオンラインで行うことも可能です。

出入国在留管理庁へ申請に関わる質問や相談をしたいと思ったときには、次の機関を活用できます。

・外国人在留総合インフォメーションセンター
・外国人在留支援センター(FRESC/フレスク)

これらの機関は、企業だけでなく在留外国人も利用できるので、身近に情報を求めている方がいたら、活用を勧めてみてください。

出入国在留管理庁は、外国人の受入れ環境を整え、日本に在留する外国人がスムーズに国内で働けるように管理・支援をしています。

外国人雇用を検討している企業にとって、出入国在留管理庁は必ず関わる機関です。出入国在留管理庁の役割や、どのように活用できるのかを確認する際に、本稿を役立てていただければ幸いです。

参考)
法務省「報道発表資料 平成31年度予算(案)について」, https://www.moj.go.jp/content/001277895.pdf(閲覧日:2022年11月22日)
外国人雇用相談室「外国人労働者の受入れ制度 採用担当者に必要な実践的な情報を解説」,https://ghrlab.com/article/foreign-worker-system(閲覧日:2022年11月22日)
出入国在留管理庁「組織・機構」, https://www.moj.go.jp/isa/about/organization/organization.html(閲覧日:2022年11月22日)
出入国在留管理庁「在留申請のオンライン手続」, https://www.moj.go.jp/isa/applications/guide/onlineshinsei.html(閲覧日:2022年11月22日)

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