外国人在留支援センター(FRESC)を【詳しく解説】受けられる支援は

この記事を読むと、次のことが分かります。

・外国人在留支援センターの役割
・外国人在留支援センターの特徴
・外国人在留支援センターで相談できること
・実際に外国人在留支援センターに寄せられた相談内容

外国人在留支援センター(FRESC/フレスク)は、日本に在留する外国人サポートする政府の窓口が集まった機関です。外国人本人からだけでなく、雇用する企業や支援する地方公共団体などからの相談にも対応し、外国人の受入れ環境を整えようと尽力しています。

本稿では、外国人在留支援センターの役割特徴について解説します。実際に外国人在留支援センターに寄せられた相談内容も紹介しますので、外国人在留支援センターの活用方法をイメージしていただけますと幸いです。

1. 外国人在留支援センター(FRESC)は外国人の受入れ環境の整備に尽力する施設

外国人在留支援センターは、外国人の在留を支援する政府の窓口として2020年7月に開所しました。東京都新宿区のJR四ツ谷駅から徒歩1分にある「コモレ四谷 四谷タワー」の13階にあり、外国人を支援する関係機関が一堂に集まっています。

外国人在留支援センターでは、外国人の在留や労働などに関する相談が可能です。外国人その周囲の人からの他、外国人を雇用したいと考えている企業や、外国人の支援に取り組む地方公共団体からの相談にも応じています。多角的に外国人の受入れ環境を整えることを目的としているのです。

外国人在留支援センターには、プライバシーの観点から、個室タイプの相談ブースが設置されています。なお、開所時間は午前9時から午後5時まで、土日祝日と年末年始は休所日となっています。

2. 外国人在留支援センターの特徴

外国人在留支援センターの特徴には、以下の4点があります。

・外国人の在留に関わる機関が集まっていること
・無料・匿名で相談できること
・多言語に対応していること
・相談方法を選べること

それぞれ見ていきましょう。

・外国人の在留に関わる機関が集まっていること

外国人在留支援センターの大きな特徴の一つが、外国人の在留に関わる専門機関がワンフロアに集まっていることです。外国人をサポートする機関が集結していることで、それぞれの機関が連携を取りやすくなっています。

外国人が抱える悩みや不安は、1つの機関で解決できるものばかりではありません。さまざまな要素が入り交じり、複数の機関が連携する必要があるケースも多く見られます。

このような相談にも適切に応じられるよう、外国人在留支援センターでは外国人を支援する機関をワンフロアに集め連携を図っているのです。さらに、1つの場所で切れ目のない支援を受けられることは、相談者の負担軽減にも役立っています。

・無料・匿名で相談できること

外国人在留支援センターでの相談は、無料・匿名で行えます。これにより、「金銭的に余裕がない」「個人を特定されるのが不安」といった気持ちを抱えている外国人も適切な支援を受けやすくなります。

・多言語に対応していること

外国人在留支援センターの特徴として、多言語に対応していることが挙げられます。各窓口で対応言語の種類に違いはありますが、多くが複数の言語に対応しています。例えば、英語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語・フィリピノ語・ベトナム語・タイ語・インドネシア語・ネパール語などです。

・相談方法を選べること

窓口によって対応している相談方法は異なりますが、対面電話メールオンラインなど複数の相談方法から選べるようになっています。なお、相談に予約が必要な場合もあります。相談するときは、該当窓口の相談方法をあらかじめ確認しておきましょう。

このように外国人在留支援センターは、多くの人が気軽に相談でき、適切な支援を受けられる環境を整えています。

3. 外国人在留支援センターの相談窓口

外国人在留支援センターには総合受付と8つの専門機関が入居しています。また、2020年9月からは、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、仕事上や生活上で困っている外国人のための電話相談窓口「FRESCヘルプデスク」も追加で開設されました。

ここからは、それぞれの相談窓口がどのような役割を果たしているのか紹介します。

3-1. 総合受付

外国人在留支援センターの入口にあるのが「総合受付」です。ここでは、外国人在留支援センターを訪れた人をどの機関に案内するのが適切なのかを判断し、もっとも適当と思われる機関につなげる役割を果たしています。

総合受付には、日本語・英語・中国語を話せるスタッフがいる他、韓国語・ポルトガル語・スペイン語・ベトナム語・フィリピノ語・インドネシア語・タイ語・ネパール語に対応できるタブレット端末も導入しています。

3-2. 出入国在留管理庁(開示請求窓口)

出入国在留管理庁(開示請求窓口)でできる主な手続きは、外国人登録原票や出入(帰)国記録の開示請求や、死亡した外国人に関する外国人登録原票の写しの交付請求などです。「生活・就労ガイドブック」や「外国人生活支援ポータルサイト」を通じて、外国人が日本で生活するための情報提供もしています。

その他、地方公共団体が設置している外国人向け相談窓口の整備や運営を支援したり、地方公共団体の職員などを対象とした研修を行ったりもしています。

3-3. 東京出入国在留管理局

東京出入国在留管理局は、在留外国人や外国人を雇用したい企業が、外国人の在留について相談できる窓口です。在留資格についてくわしく知りたい、高度人材ポイント制の仕組みを知りたいなどの相談に対応しています。また、在留資格の変更や在留期間の更新といった手続きについても相談できます。

3-4. 東京法務局人権擁護部

東京法務局人権擁護部では、外国人本人や外国人と関わりのある周囲の人から、人権に関するさまざまな相談を受け付けています。具体的には、いじめや差別的な扱い、ハラスメント、インターネットを悪用したプライバシー侵害などです。

相談に応じると同時に、東京法務局人権擁護部では、そのような人権侵害行為から外国人を救済する役割も担っています。さらに、地方公共団体や人権擁護委員などと連携しながら、人権啓発も行っています。

3-5. 日本司法支援センター(法テラス)

日本司法支援センター(法テラス)は、外国人への法的支援を行うための機関です。困っている外国人に対し、相談窓口の紹介や日本の法制度についての情報提供を無料で行っています。外国人に金銭的なゆとりがない場合には、弁護士費用を立て替えたり、弁護士による無料相談を実施したりもしています。

また、英語・中国語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語・ベトナム語・タガログ語・タイ語・ネパール語・インドネシア語に対応した「多言語情報提供専用ダイヤル」を設置しているのも特徴の一つです。法的な情報を多言語で伝えるシステムを導入することで、多くの外国人からの相談に対応できるようになっています。

3-6. 外務省ビザ・インフォメーション

外務省ビザ・インフォメーションでは、日本への入国に必要なビザ(査証)の申請に関する相談ができます。申請に必要な書類や手続きなどの質問を受け付けています。

3-7. 東京労働局外国人特別相談・支援室

東京労働局外国人特別相談・支援室は、外国人を雇用する企業からの労働時間や賃金、解雇など労働関係法令労務管理に関する相談に応じている窓口です。安全衛生班と呼ばれる、外国人の安全衛生管理についての専門チームを設け、安全衛生に関する支援も行っています。

また外国人からは、労働条件に関する相談を受け付けています。新型コロナウイルス感染症流行下での内定取り消しやアルバイト先の休業に関する相談が、多く寄せられているようです。

3-8. 東京外国人雇用サービスセンター

東京外国人雇用サービスセンターは、外国人留学生や、専門・技術的分野の在留資格を持つ高度外国人材の就職を支援している機関です。具体的な活動としては、このような外国人を対象とした、職業相談や紹介、面接会やインターンシップの実施などが挙げられます。

外国人留学生に対しては、教育機関と連携した支援も行います。在学中から、日本で就職するに当たっての心構えや就職情報などを伝えるのも、東京外国人雇用サービスセンターの役割の一つです。

加えて、高度外国人材を雇用したい企業向けに、外国人雇用に関する情報を提供したり相談を受けたりもしています。

3-9. 日本貿易振興機構(ジェトロ)

日本貿易振興機構(ジェトロ)では、専門・技術的分野の在留資格を持つ高度外国人材と、このような外国人を雇用したい企業、もしくは雇用している企業を支援しています。

日本貿易振興機構は、外務省や厚生労働省、文部科学省など複数の関係省庁と連携し、「高度外国人材活躍推進プラットフォーム」を設置しました。日本貿易振興機構のホームページ内にポータルサイトを開設するなどして、公的機関が実施するイベントの情報や企業・大学の情報などを掲載しています。

3-10. FRESCヘルプデスク

FRESCヘルプデスクは、外国人在留支援センター内に2020年9月に開設された電話相談窓口です。新型コロナウイルス感染症の影響で困っている外国人のため、出入国在留管理庁が開設しました。

日本語・ベトナム語・中国語・英語・韓国語・スペイン語・ポルトガル語・ネパール語・タイ語・インドネシア語・フィリピノ語・ミャンマー語・クメール語・モンゴル語・フランス語・ベンガル語・ウルドゥー語・シンハラ語の18言語に対応しています。

4. 外国人在留支援センター内の機関に寄せられた相談事例

ここまで紹介してきたように、外国人在留支援センターには複数の専門機関が入居しており、外国人に関わるさまざまな相談に対応しています。

そこで本章では、過去に外国人在留支援センター内の機関に寄せられた相談事例を紹介します。実際の相談事例を知ることで、どのような場合に外国人在留支援センターに相談できるのかをイメージしやすくなるでしょう。

4-1. 外国人や企業からの相談事例

まず、外国人から外国人在留支援センターに寄せられた相談事例を紹介します。

・このまま日本で働きたいけど、就職先が見つからない
・現在勤めている職場から転職したい
・職場でサービス残業を強要されている
・夫から暴力を受けているので助けてほしい
・夫と離婚しても日本で暮らせるのか
・赤ちゃんが生まれたので自国の家族に来てもらいたい
・離婚した場合、子どもの親権在留資格はどうなるのか
・留学ビザで日本にいたが、学校を退学することにした。いつまで日本にいられるのか
・新型コロナウイルス感染症を理由に突然解雇され、家賃の支払いができない
・新型コロナウイルス感染症の影響を受け、就職先が決まらないまま卒業することになった。在留資格はどうなるのか
・専門学校を卒業後、大学を受験したい。それまで在留を続けられるのか

企業から外国人在留支援センターに寄せられた相談には、以下のようなものがあります。

・外国人を採用して海外展開をしたい
特定技能外国人を採用したい
・外国人向けの安全衛生教育用資料・教材を紹介してほしい
・外国人に対する技能講習を実施している機関を知りたい
・外国人の労働災害が発生したときのために手続きを確認したい

なお、外国人在留支援センターは質問や相談には応じますが、コンサルティングのような業務は行っていません。その点はあらかじめ認識しておきましょう。

4-2. 連携事例

外国人在留支援センターの特徴の一つが、外国人に関する専門機関が連携し、切れ目のない支援を行えることです。そこで、外国人からの相談に対し各機関が連携して対応した事例を紹介します。

【ケース1】
新型コロナウイルス感染症の影響で企業から突然解雇されたが、今後も日本で仕事をしたい。働いていた間、いじめなどのハラスメントも受けていた。

このケースは、以下のような複数の問題を含んでいます。

・新型コロナウイルス感染症の影響で解雇された場合、在留資格はどうなるのか
・ハラスメントによる人権侵害への対応と支援にはどのようなものがあるのか
・企業からの突然の解雇に対して労働者としてできることはないのか
・解雇やハラスメントについて、外国人は法的な支援が得られるのか

これら一つ一つの問題は専門とする機関が異なります。具体的には以下の通りです。

・在留資格について→東京出入国在留管理局
・人権侵害への対応と支援について→東京法務局人権擁護部
・不当な解雇への対応について→東京労働局外国人特別相談・支援室
・法的な支援について→日本司法支援センター(法テラス)

ケース1では、上記4つの機関が連携し、問題の対応に当たりました。

【ケース2】
1年の契約で働いているが、企業から「次の契約更新はしない。帰国したら給料を払う」と言われた。日本で次の仕事を探しているが、在留資格の手続きはどうすればいいか。

ケース1と同様に、このケースの問題を整理してみましょう。

在留資格の手続きをどのようにすればよいか
・企業の言う通り、帰国しないと給料をもらえないのか

これらの問題を解決に導く専門機関は以下の通りです。

・在留資格について→東京出入国在留管理局
・給料不払いへの対応について→東京労働局外国人特別相談・支援室

ケース2では、問題の解決に向け、上記2つの機関が連携して対応しました。

以上のように外国人からの相談は、複数の機関が連携して解決しなければならないケースも多く見られます。そのような相談においても、専門機関が集まっている外国人在留支援センターなら連携が取りやすいので、適切な支援スピーディに行えます。結果的に、相談者の負担も軽減できるでしょう。

5. まとめ

外国人在留支援センターは、外国人の在留を支援する政府の窓口です。多角的に外国人の受入れ環境を整えることを目的に、外国人その周囲の人からの他、外国人を雇用したいと考えている企業や、外国人の支援に取り組む地方公共団体からの相談に対応しています。

外国人在留支援センターの特徴として、以下の4点があります。

・外国人の在留に関わる機関が集まっていること
無料・匿名で相談できること
多言語に対応していること
相談方法を選べること

外国人在留支援センターの相談窓口は以下の通りです。

・総合受付・出入国在留管理庁(開示請求窓口)
・東京出入国在留管理局
・東京法務局人権擁護部
・日本司法支援センター(法テラス)
・外務省ビザ・インフォメーション
・東京労働局外国人特別相談・支援室
・東京外国人雇用サービスセンター
・日本貿易振興機構(ジェトロ)
・FRESCヘルプデスク

外国人からの相談は、複数の機関が連携して解決しなければならないケースも少なくありません。そのような相談においても、専門機関が集まっている外国人在留支援センターなら連携が取りやすいので、適切な支援スピーディに行えます。結果的に、相談者の負担も軽減できるでしょう。

外国人在留支援センターは、外国人本人の他、企業・地方公共団体など、外国人に関わる立場の人も利用できる機関です。企業として活用するのはもちろん、自社の外国人従業員が困っている際には外国人在留支援センターを紹介してみてはいかがでしょうか。

参考)
出入国在留管理庁「外国人在留支援センター」, https://www.moj.go.jp/isa/support/fresc/fresc01.html(閲覧日2023年1月31日)
日本政府「外国人在留支援センター(FRESC/フレスク)について 」,2021年1月, https://www.gov-online.go.jp/eng/publicity/book/hlj/html/202101/202101_09_jp.html(閲覧日2023年1月31日)
日本貿易振興機構(ジェトロ)「外国人在留支援センター FRESC」, https://www.jetro.go.jp/ext_images/_News/releases/2020/76a98e4721b4070f/1_fresc.pdf(閲覧日2023年1月31日)
日本学生支援機構「【事例紹介】外国人在留支援センター(FRESC/フレスク)について-外国人在留支援センターの取組-」,『ウェブマガジン『留学交流』』,2021年3月, https://www.jasso.go.jp/ryugaku/related/kouryu/2020/__icsFiles/afieldfile/2021/04/19/202103fresc_2.pdf(閲覧日2023年1月31日)
外国人在留支援センター「外国人在留支援センターで入管に相談ができます!」,https://www.moj.go.jp/isa/content/930006143.pdf(閲覧日2023年1月31日)
出入国在留管理庁「在留相談(東京出入国在留管理局)」, https://www.moj.go.jp/isa/support/fresc/fresc_2.1.html(閲覧日2023年1月31日)
日本司法支援センター 法テラス「外国人在留支援センター(FRESC)での業務について」, https://www.houterasu.or.jp/forforeignnationals/aboutfresc/servicesinfrescjp.html(閲覧日2023年1月31日)
日本司法支援センター 法テラス「増加する外国人への適切な法的支援に向けた法テラスの取組について」,2020年7月2日, https://www.houterasu.or.jp/houterasu_gaiyou/kouhou/index_press/200702press.files/0702press.pdf(閲覧日2023年1月31日)
日本貿易振興機構(ジェトロ)「高度外国人材活躍推進プラットフォーム」, http://www.jametro.or.jp/upload/country/IJLaXUxhvZsF.pdf(閲覧日2023年1月31日)
出入国在留管理庁「FRESCにおける相談対応・連携事例」, https://www.moj.go.jp/isa/content/001351772.pdf(閲覧日2023年1月31日)

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